この記事は、2025年6月1日に更新しました。
・経営・管理ビザにつき、事業計画書作成にお悩みの方
・特に入管に提出する事業計画書の内容について知りたい方
まず、事業計画書とは、以下の5つの質問に答えを出す作業でした。
1.あなたは誰で、何のため(社会的意義)に、何の事業を行うか?
2.あなたの商品・サービスは誰に、何処で、どのように、売るのか?
3.年間の売上はいくらで、その売上の根拠は何か?
4. あなたの商品・サービスは、ライバルとの競争で、勝つ勝算はあるか?
5.あなたの商品・サービスは、誰によって運営され、事業で得た利益で、ビジネスは継続できるのか?

この記事を書いた人
行政書士 Jin JaeHo(韓国人の行政書士)一児のパパ
2014年開業
入管業務が専門
不許可案件、リカバリー案件に豊富な実績あり。
おさらいですが、前回の記事では、「あなたの商品・サービスは誰に、何処で、どのように、売るのか?」の「誰に、どこで売るのか?」の記事でした。今回の記事は、「どのように売るのか?」(以下、「販売戦略」といいます)についてです。
あなたの商品・サビースはどのように売りますか?
1.(マーケティングの具体的な施策)4P
「どのように売るか」については、マーケティング戦略を立案・実行する際のフレームワークである4P「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(販促)」の出番です。
(1)Product(製品)
ここは、製品をどのような形で製造するかがポイントになります。
- コアバリュー
- 100%植物由来、湧水エキス・高級オイル配合、全身対応(顔・体・髪)、低刺激・弱酸性、ビーガン認証・ISO認証・第三者機関による安全性検証済み。
- 100%植物由来、湧水エキス・高級オイル配合、全身対応(顔・体・髪)、低刺激・弱酸性、ビーガン認証・ISO認証・第三者機関による安全性検証済み。
- 差別化ポイント
- 「高級×高エシカル×高機能×高安全性×幅広いターゲット層」という、4つのポジショニングマップ全てで最高評価の独自ポジション。
- 赤ちゃんからシニアまで、敏感肌の方も安心して使える。
- パッケージも環境配慮型、サステナビリティを徹底。
- ラインナップ展開
- 香り違い、サイズ違い(ミニサイズ・ギフトセット)、限定デザインパッケージなどでバリエーションを用意。
(2)Price(価格)
①値決め
今回の高級石鹼の値段は、3,480円(税込・1個120g)に決めました。
・初回限定20%オフキャンペーン
・定期購入で10%オフ+送料無料
・ギフトセットは通常価格より10%お得な設定
値決めにおいて、具体的に何を考慮してその値段になったのか気になる方は、下の文章を読んでみてください。
どのビジネスにおいても値決めはかなり重要ですが、入管の事業計画書の中ではその理由まで説明する必要はありません。ただ、「何でその値段にしたのですか?」と聞かれたときは、しっかりと答えられるようにしましょう。
値決めで考慮すべき6つの要素
- 1. 市場相場・競合価格
-
アマゾンや楽天などの主要ECサイトでの同カテゴリ商品の価格帯を調査し、競合他社と比較して競争力のある価格設定を行う。
- 2. 顧客が感じる価値・支払い意思額
-
顧客がその商品にどれだけの価値を感じ、いくらまでなら支払うか(WTP:willingness-to-pay)を重視。
- 3. 自社のコスト構造と利益確保
-
原材料費、製造コスト、流通コスト、マーケティング費用など、商品1個あたりの総コストを正確に把握し、その上で適切な利益を上乗せできる価格に設定することが不可欠。
- 4. ターゲット顧客層の特性
-
ターゲットとする顧客層(例:敏感肌・エシカル志向の中所得層)がどの程度の価格帯を受け入れるか、購買心理や購買力を考慮する。プレミアム層向けなら高価格設定も可能ですが、一般層向けなら価格感度も考慮する必要がある。
- 5. ブランド戦略・ポジショニング
-
高級路線で差別化する場合は、ブランドイメージにふさわしい価格帯を設定することが重要。
- 6. 流通チャネル・販売方法
-
オンライン(EC)か実店舗か、直販か代理店経由かによって、流通マージンや手数料も考慮する必要がある。
②価格戦略(値決め)の考え方(プロセス)
この石鹸は以下の点でプレミアム製品と位置付けられます
- 天然植物性100%、ビーガン認証取得(日本ではまだ希少)
- 氷河水・ラズベリーシード・シアバターなど高機能成分
- 全身使用可能(顔・髪・体)
- 低刺激・肌テスト済み・EWG基準クリア
種類 | 価格帯(1個あたり) |
---|---|
通常高級石鹸 | 1,000~2,500円 |
オーガニック系 | 2,000~4,000円 |
ビーガン/機能特化型 | 3,000~5,000円 |
仕入原価・原価率
仕入れ値 | 運送費(海外から) | 原価(合計) | 原価率 |
500 | 50 | 550 | 16% |
ECサイトで商品を販売する際には、販売手数料(約10%)、カード手数料(3.5%)など「オペレーションコスト」がかかるので、一般の小売業よりは、原価率を低く抑える必要があります。
・オペレーションコストを考慮してもなお低い原価率で万が一値下げ競争に巻き込まれたとしても十分に耐える原価率
・高額になると(例:5,000円以上)セカンダリーターゲット(将来的な市場拡大の可能性)には、手が届きにくい。逆に安すぎると「高級」「安全性」の印象が弱まりブランド毀損してしまう。こうの二つを考慮しても絶妙なライン
結論、 3,480円は「高級石鹸」としての安心感を残しつつ、ギフト・自分用としても心理的に手が届く価格
(3)Place(流通)
① ECサイト(Amazon・楽天・Qoo10)
項目 | 内容 |
---|---|
販売方針 | プラットフォーム特性に応じた価格・プロモーション・パッケージの差別化を図る |
在庫管理 | FBA(Amazon倉庫)、楽天スーパーロジ等を活用し、配送の自動化・即日対応を実現 |
販売形態 | 単品販売に加え、「2個セット」「ギフトセット」「定期便」などバリエーション展開 |
ブランドページ | 楽天RMSやAmazonブランド登録(Brand Registry)を活用してブランド訴求 |
レビュー活用 | 初期レビュー施策(モニター提供、クーポンなど)を行い、安心感と信用を獲得 |
② 実店舗(東京都・渋谷区)
項目 | 内容 |
---|---|
設置方法 | 直営店、もしくはナチュラル系セレクトショップ/オーガニックショップと提携販売 |
販売スタイル | タッチ&トライ(テスター設置)を重視。「顔・髪・全身に使える」点を体感できる導線を設計 |
ブランド訴求 | 「ヴィーガン認証」「低刺激」「赤ちゃんにも使える」などの価値をPOPで明示 |
販売員教育 | 成分・機能に関する知識を研修し、丁寧な説明と提案ができる接客力を強化 |
在庫連携 | 店舗とEC在庫をシステムで一元管理(将来的なOmniチャネル化に対応) |
(4)Promotion(販売戦略)
①ブランディング
ブランディング:「信頼 × プレミアム × やさしさ」を訴求
ブランディングを強化するためには、ブランドストーリーが必要
・成分のこだわりの理由
・エシカル製造への取り組み、環境負荷削減の可視化
・パッケージ・販促物・Web上での一貫したストーリーテリング

ここは、販売戦略を説明するところです。販売戦略は、販促の手法を箇条書きなどで書くものいいですが、できれば、ターゲット(顧客)別に販売戦略を考えてくれるとなおいいです。
②ターゲット顧客別、販売戦略
- (1)敏感肌層向け
-
- 訴求文:「赤ちゃんにも使える自然派石鹸。敏感肌にも安心な低刺激石鹸。」
- 媒体:育児・美容系ブログ、アトピー・敏感肌向けSNSインフルエンサーとのコラボ
- (2)高品質志向層
-
- 訴求文:「大人の肌を贅沢に潤す。」
- 媒体:美容雑誌広告(MAQUIA、&ROSY)、百貨店ポップアップ(第2期目以降、計画)
- (3)エシカル消費層・Z世代
-
- 訴求文:「地球と未来の自分に優しい、ビーガン認証の石鹸。」
- 媒体:Instagram・TikTok動画、ブランドストーリー動画コンテンツ、クラフト感のあるパッケージ投稿誘導
③プロモーション施策
・初回限定トライアルキット(3種の香り or ノンフレグランス)
・初回限定20%オフキャンペーン
・定期購入で10%オフ+送料無料
・ギフトセットは通常価格より10%お得な設定
・SNSシェアキャンペーン(UGC:ユーザー投稿促進)
・サンプル配布(美容イベント・ロフト/ハンズ連動)
④販売戦略まとめ(どのように売るか)
- 都市部×感度の高い層にピンポイント訴求(自然派・エシカル・機能性の3軸で)
- 公式オンラインストアでブランド世界観を丁寧に伝えるD2Cモデル
- 敏感肌ユーザーとエシカル消費層向けに異なるメッセージを使い分ける
- 美容・環境インフルエンサーとのコラボ強化
- 定期購入・ギフトセット・口コミキャンペーンなどによるLTV向上
D2Cモデルとは、「Direct to Consumer(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」の略で、メーカーやブランドが中間業者(卸売業者や小売店、ECモールなど)を介さず、自社のECサイトなどを通じて消費者に直接商品を販売するビジネスモデルを指します。



ここまでがあなたの商品・サービスは誰に、何処で、どのように、売るのか?に対する回答になります。
次のブログで「売り上げの根拠は何か?」また、「あなたの商品・サービスは、ライバルとの競争で、勝つ勝算はあるか?」について丁寧に説明しますのでぜひご確認お願い致します。
無料相談受付中
お気軽にご相談ください。
03-6812-0596
〒120-0026
東京都足立区千住旭町38-1
東京千住アネックス420号




Line(日本人・外国人向け)


カカオトーク(韓国人向)