この記事は、2025年6月2日に更新しました。
・経営・管理ビザにつき、事業計画書作成にお悩みの方
・特に入管に提出する事業計画書の内容について知りたい方
まず、事業計画書とは、以下の5つの質問に答えを出す作業でした。
1.あなたは誰で、何のため(社会的意義)に、何の事業を行うか?
2.あなたの商品・サービスは誰に、何処で、どのように、売るのか?
3.年間の売上はいくらで、その売上の根拠は何か?
4. あなたの商品・サービスは、ライバルとの競争で、勝つ勝算はあるか?
5.あなたの商品・サービスは、誰によって運営され、事業で得た利益で、ビジネスは継続できるのか?

この記事を書いた人
行政書士 Jin JaeHo(韓国人の行政書士)一児のパパ
2014年開業
入管業務が専門
不許可案件、リカバリー案件に豊富な実績あり。
おさらいですが、前回の記事は「あなたの商品・サービスは誰に、何処で、どのように、売るのか?」(マーケティング戦略、販売戦略)の記事でした。今回の記事は、年間の売上はいくらで、その売上の根拠は何か?(以下、「売上の根拠」といいます)についてです。
あなたが予想している売上高の根拠は何か?
1.売上高の予想
(当たり前ですが)売上高の求め方は、年間の販売量(個数)で決まります。
(1)予想販売(個数)
年間販売個数(2025年7月~2026年6月)
7月~10月 | 11月~2月 | 3月~6月 | 合計 |
月300 (1,200個) | 月350 (1,400個) | 月400 1,600個) | 4,200個 |
年間予想売上(2025年7月~2026年6月)
3,480×4,200=(合計:14,616,000)
2.売上の根拠
上記年間販売量(4,200個)の根拠は何か?

売り上げの根拠において、根拠かはっきりしている場合もありますが、以下は、売上の根拠がはっきりしていない場合の例で話を進めます。
・BtoBでの取引において、契約書などで明確な発注量がある
・BtoCにおいて、特定の相手に決まった発注量がある
・直近、同商品を海外のECサイトで販売しており、その実績が定量的な数字ではっきりしている。
(1)市場動向・市場規模
①市場規模
日本のボディソープ・ボディシャンプー市場規模は2023年に約1,200億円と推定され、高級石鹸市場がこの5%を占めると仮定すると、約60億円の市場規模と推定される。
②オフラインでの販売店の数
高級石鹸を扱うオフライン店舗数は以下のように推定できる。
百貨店:約200店舗
専門店(化粧品、雑貨など):約1,000店舗
ドラッグストア(高級ラインを扱う店舗):約5,000店舗 合計:約6,200店舗
(2)競合他社の分析
日本の大手ECサイトにおいて、高級石鹸を販売している業者のセグメントは、大きく以下の二つに分類することができる。
①中間価額市場
②高価額市場
以下は、ECサイトのデータを基に算出された推測値。
①中間価額の市場(1,400円~2,000円の価額帯)
項目 | アマゾン | 楽天 | Q10 |
①店舗数 | 約50店舗 | 約100店舗 | 約30店舗 |
②上位3社の月間販売数量 | 500個/月 | 400個/月 | 300個/月 |
②上位3社の月間販売価額 | 2,000円 | 1,800円 | 1,700円 |
③下位3社の月間販売数量 | 20個/月 | 15個/月 | 10個/月 |
③下位3社の月間販売価額 | 1,500円 | 1,400円 | 1,300円 |
④平均月間販売数量 | 150個/月 | 120個/月 | 80個/月 |
④平均月間販売価額 | 1,800円 | 1,700円 | 1,600円 |
📊 高価額市場データ(価格帯:3,000円~10,000円)
項目 | Amazon | 楽天市場 | Qoo10 |
---|---|---|---|
③ 出典店舗数 | 約30店舗 | 約50店舗 | 約15店舗 |
④ 上位3社の月間販売量(個数) | 約1,200個 | 約1,500個 | 約800個 |
⑤ 上位3社の販売価格帯 | 3,480円~5,060円 | 3,980円~5,500円 | 3,500円~4,800円 |
⑥ 平均販売価格 | 約4,200円 | 約4,500円 | 約4,000円 |
⑦ 平均販売量(全体) | 約400個/月 | 約350個/月 | 約300個/月 |
⑧ 下位3社の月間販売量(個数) | 約50個 | 約40個 | 約30個 |
⑨ 下位3社の販売価格帯 | 3,000円~3,500円 | 3,000円~3,800円 | 3,000円~3,500円 |
参考商品




(¥5,060)


(¥3,480)
Amazon高級石鹼商品ベージから抜粋
高級石鹼は、プレゼントの需要もあり、高価の方がもっと売れていることが分かります。
3.あなたの商品は、ライバルとの競争で、勝つ勝算はあるか?
競争優位性
- ①価格競争力
-
高級石鹼の高額市場において、3,480円という価格は、同業他社と比較して、同等か若干低め。中間層~富裕層をターゲットとした適切な価格設定。
- ②製品特性
-
低刺激性、天然植物性成分使用、ビーガン対応など、差別化要素が明確。韓国コスメブランドとしての付加価値。
- ③販売チャネル
-
オンライン(楽天、アマゾン、Q10)とオフライン(自社の店舗)の両方で展開予定。
多角的な販売戦略により、幅広い顧客層にアプローチ可能。 - ④ブランド戦略
-
「エシカルな韓国ビューティー」としてのポジショニングが明確。
ビーガン認証、EWG認証など、信頼性を高める要素あり。 - ⑤市場トレンドとの適合性
-
環境配慮、天然成分使用、低刺激性など、現在の消費者ニーズに合致。
世界の固形石鹸市場は2023年から2030年にかけて4.6%(注1)で成長予測
(注1)出典先:https://www.gii.co.jp/report/grvi1363498-bar-soap-market-size-share-trends-analysis-report.html
4.上記年間販売量(4,200個)の妥当性
(1)ECサイトの実績データに基づく販売見込み
・アマゾン:400個
・楽天:350個
・ Q10:300個
自社は3サイトで販売するため、月間合計300~400個は達成可能。年間換算で3,600~4,800個(4,200個はこの範囲内)。
(2)オフライン(本店1店舗)の販売見込み
高級石鹸を扱う専門店は約1,000店舗。1店舗あたりの月間販売量は明記されていないが、競合データから推定。
・競合下位店舗の月間販売量は10~50個
・本店1店舗では月20個程度を見込み、年間240個貢献。これにより、オンラインと合わせて月平均350個をカバー。
(3)その他
- ①需要とターゲット層が一致
-
・ビーガン市場:日本で約65億円(オンライン購入者が主流)
・敏感肌消費者:日本人女性の60%が該当、ECサイトでの購入ニーズが高い。販売条件のECサイトが主要チャネルとなり、需要を直接捉えられる。
- ②季節変動と価格設定の現実性
-
・計画:夏期(月300個)→冬期(月400個)と増加(資料P.6)。乾燥期の需要増やプレゼント需要(高級品の特性)に合致。
価格:3,480円は競合平均(アマゾン4,200円、楽天4,500円)より低く、オンラインで価格競争力がある。
以上、競合の販売実績、市場規模、販売チャネルの特性、ターゲット層の明確さから、年間4,200個の販売目標は十分に妥当であり、現実的な数字です



ここまでが、
3.年間の売上はいくらで、その売上の根拠は何か?
4. あなたの商品・サービスは、ライバルとの競争で、勝つ勝算はあるか?
でした。
次回は、事業計画書のゴールとも言える「あなたの商品・サービスは、誰によって運営され、事業で得た利益で、ビジネスは継続できるのか?」について解説したと思います。
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